便秘には、腸の機能が低下することで起こる『機能性便秘』と、病気や他の原因によって起こる『器質性便秘』の二種類があります。
まず『機能性便秘』ですが、大腸の筋力が弱まり、便を外へ押し出す力が衰えたことで起こるものは『弛緩性便秘』といいます。腹筋が緩んでいるとなりやすく、お年寄りに多く見られる症状です。ストレスなどで腸の動きに異常が出て、食後につらい腹痛を伴うものは『けいれん性便秘』が疑われます。さらに大腸ではなく直腸で便が詰まる『直腸性便秘』というものもあり、これは日常的に便意を我慢することの多い人がなりやすいタイプです。
『器質性便秘』は別名を『症候性便秘』といいます。代表的なものはまず大腸疾患によるものです。さらに大腸ではなく別の臓器に腫瘍ができたために腸が圧迫されて、便秘になるという『器質性便秘』もあります。甲状腺ホルモンが少なくなることで消化管の機能が低下する、血液中のカルシウムが多くなりすぎる、脳出血などの中枢神経の病気や脊髄の損傷によっては威厳反射が起こらなくなる……など『器質性便秘』になる原因はさまざまです。
食物繊維を取れば便秘が解消されるかというと、そうでもありません。便秘の原因をきちんと調べ、それに合った対処法を取ることが大切なのです。